読んだ。

私が「ヴィジュアル系」だった頃。

私が「ヴィジュアル系」だった頃。


あと五年早く生まれたかった。
この本に出てきた四人のバンドの活動時期で言うなら僕はLUNA SEAの世代に近いのだと思う。
しかし僕は所謂V系の本流へ身を投じることはなかった。
原因は入り口が「群れない」ラルクと「いい人」GLAYだったことだろう。
リアルタイムの感覚で言えば、XはDAHLIALUNA SEAはSTYLEあたりからしか記憶にない。筋少に至っては聞き始めたのがオーケン脱退後という有様である。
その意味ではデビュー前から知っていたPierrotはずっと聴いているけど、やはりXからの系譜の上では「単品」という感覚が拭えない。僕にとっては「最後のV系」という感じだ。
今思うと悲劇の番組Break Outに出ていたバンドの中でもこの人たちは飛び道具的ではないオリジナリティを持っていたもんな。まあ僕もSHAZNAのCDを発売日に買っちまったクチですが。
Pierrot以降のバンドに魅力を感じられなかったのはやはり年齢の所為だけではなかったようだ。
SUGIZOの章は始めて聞く話が殆どで、結構ショッキングな内容もいくつかあった。河村隆一の件とかね。五人以上のバンドには核になるメンバーが二人というのが理想なのかもしれない。
YOSHIKIはやっぱ、生ける伝説という感じ。この人がhideと出会ったのは運命としか言いようがない。
オーケンは例によって当事者でありながら一番近くにいた傍観者といった具合で、いいね。


hideに始まり、hideに終わったという表現は的を射ていると思う。この人の存在がどれだけ大きかったことか。そして健在ならば日本の音楽はどうなっていたのだろう・・・


敢えて難を言わせて貰えば、この人選は確かにV系の時代を語るには不可欠なものではあるのだが、この本には現れなかった側面も書いてほしかったなあと、思います。