永遠なんて

PCの電源を入れるとまずはiTunesを起動するのが習慣になりつつある。
曲を選ぶのも面倒なのでパーティシャッフルという機能を利用してランダムに再生している。
便利は便利なのだが、一曲一曲を軽んじてしまうところが欠点かもしれない。


積極的に音楽を聴き始めたのは中学生になってからだったから、時期としては遅い部類に入るのだろう。
当初はレンタルショップのワゴンに積まれた中古CDを買うぐらいだった。
1000円が大金だった少年には、新品の8cmCDはなかなか手が出なかったのだ。
ラジカセの録音ボタンに指を置いてNHK FMミュージックスクエアを聴く毎日。
そんなある夜、耳に飛び込んできたのがTHE YELLOW MONKEYの新曲だった。
イントロから最後まで僕は微動だにしなかった。
勿論テープには録音したのだけれど、衝動は収まらない。
これは買わねば。
翌日、何かに取り憑かれたかのように僕はCD屋へ自転車を走らせた。
誰の手にも触れられていないCDの所有者になることが誇らしかった。
誇張でも何でもなく、何百回も聴いた。


あれから八年。
部屋の棚のCDは増え続け、PCの中にも数百曲が詰め込まれている。
音楽が好きなのは変わらないけれど、曲に惚れるということが少なくなった。
身体中を駆け巡り、胸の中で爆発した鮮やかな衝撃は、時を経ても色あせていない。

SPARK

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