忘却と漂白

物忘れがひどい。
あれ。何をしていたのだっけ?というのは日常茶飯事。
本屋から帰宅すると買った本が既に本棚に並んでいたり、
いざ出かけるという時になって鍵が見つからなかったり、
昨日の夕飯も思い出せなかったり。
何でも忘れてしまうわけではない。
このことは記憶に止めておこう、と自らに念を押せば大概のことは忘れない。
だが、これは脳に焼きつけるまでもないと判断した場合は数十秒で忘却。
思い出そうとしても、頭の中は驚きの白さ。


恐いのは、忘れて良いのか否かという判断が正しいとは限らないこと。


そして、自分は誰かにとって、忘れられない存在であり続けられるのかということ。
忘却の空