転回

日常生活のあらゆる場面に於いてストレスがついて回る。
その中でも、これさえなければ、という最大の要因がある。
私の場合、それは人間関係の中に潜む。
相手に悪意はない。それは分かっている。
一つ一つの要素は確かに些細なものかもしれない。現に数カ月間は気にも止まらなかった。
しかし時と共に小さなしこりは成長し、次々と生まれては結合し、遂には限界へと迫ってきた。
解消までは叶わなくともダメージを軽減しようと試みた。試みたが、実は結ばず。
もはや逃避しかないと、覚悟を決めかけたのが昨日。
そして今日。
遅刻した。幸先が悪い。沈んだ気持ちを抱えつつ業務をこなす。
寝坊かよ、ありえんよ、最悪だ俺は。と陰々滅々。
自己嫌悪にとっぷり浸りつつ労働に勤しんでいたところで。
敵はやってきた。いつものように機雷を播き散らす。避けることも出来ぬ私は触れる。
が、爆発しないのである。散々悩まされてきた言動が、気にならない。
何故か。
俺よりマシ、だからである。
この種のストレスは価値観の相違から生じる。自分の持つ許容範囲を相手が越えることにより
ムカッと来たりカチンと来たりイラッと来たりするわけだ。
今朝の私は激しい自己嫌悪に陥っていたためにこの許容範囲がかなり曖昧になっていた。
普段なら許せない行動が、ほとんど引っ掛からない。
許せないのではなくて、許していなかっただけなのだ。
感情はある程度ならコントロールできる。
感情を殺すことならもうとっくに慣れている。
失うものもあるけれど。