時の人

同姓同名、顔も瓜二つ、DNAも同じ他人。
決して逢うことも触れることも出来ない。
そんな人間が存在し得るだろうか。


存在と言うには語弊があるかもしれない。
以前、とあるCMで「朝飯食っとけよ、二時間前の俺!」という台詞があった。
似たような思いを抱いたことは誰しもあることだろう。
殆ど勉強せずに迎える定期テスト、二日酔いの朝、金欠の給料日前など
「後悔先にたたず」という諺が陳腐にすら感じられる場面。
過去の自分と、それを恨めしく思う現在の自分は同一人物でありながら決して交わることはない。
この二者はもはや他人と呼んでいいのではなかろうか。


一秒でも、一日でも、時が経てばもう別の人。


約束した人と破る人は違う人。


考えてたら哀しくなってきた。


ん、てことは俺と似た他人が無限増殖し続けてるってことか。気持ち悪。