年刊ツマラン

一週間のご無沙汰でしたが皆様いかがお過ごしでしたでしょうか。
僕は大切なパートナーをの過労を見過ごし、終いには死に追いやってしまいました。彼は象や猫とは違って、死期を悟ると姿を消すという習性がないようで、屍へと姿を変えても尚、部屋の主の如くでんと座って動かないのです。
なので主である私の手で葬ってやらねばなりません。
火葬場に持って行っても門前払いを食らうでしょうし、土葬してもなかなか土には還りますまい。ベランダに出しておいても鴉が食べてくれるということもないでしょう。
そこで適切な方法を調べてみたのです。
すると、専門知識を持った某氏の仰るには、彼の遺骸は故郷へ帰してやるべきだということでした。
人間であれば嫁いだ先の家の墓へ入るのが通例となっておりますが、あちらの世界ではそうはいかないようです。
もちろん幾許かの経費はかかるようですが、それで然るべき方法で彼岸へ旅立てるのであれば、彼への最後の愛情として惜しむべくもありません。
二年足らずの短い間でしたが、この場を借りて彼へこの言葉を捧げます。
ありがとう。君のことは忘れないよ。
黄色いドゥカと彼女の手 (角川文庫)Punk DrunkerII-生きてるまま-