忘れた頃に

相方がいる。
何時からかはわからないが、気づいたらすぐ傍にいた。
そいつ様々な形でやってくる。
バイト中のミス。
朝8時の布団。
降り続く雨。
鏡の中の自分。
莨の煙。
うまく回らない鍵。
忘れ物。
一度取り憑かれてしまうといくら追い出そうとしても無駄なのだ。
こちらが足掻き、苦しみ、悶え、沈み、凹み、そして抵抗する気力が尽きてなおも
己の内側を蝕み、侵食し、消えたかと思えばまた眠りから覚め蠢く。
どうやらこいつと縁を切ることは出来ないようだ。
うまく手なずける方法はないものですかねえ。