お通じ

バイト先に外国人が客として来店することがある。
相手が日本語に堪能であれば何の問題もないのだが、これは飽くまで理想。
英語圏の人なら拙いながら会話にはなる。
中国人なら筆談でなんとかならんこともない。
だが、敵はロシア人なのだ。
それも一寸ややこしい手続きを依頼された場合。
こちらとしては、多分こういうことを言っているのであろう。と予想して応対する。
どうもそれは向こうの意図とは食い違っていたらしく不満げな顔をする。
ではこうか、と身ぶり手ぶりで提案するがこれも違う。
そうこうしている内にあっちはイライラこっちはテンパる。
英語も通じず、挙げ句の果てにスペイン語まで繰り出しても事態は収集がつかず、途方に暮れていると
パートのおばちゃんが出てきて日本語のみで捩じ伏せてしまうのであった。


なんたる力業。無力な僕は立ち尽くすのみ。